「ヒアルロン酸」と聞くと、美容に関心のある方なら「お肌にいいアレでしょ?」という答えが返ってくるかも知れません。それももちろん正解です!ではなぜ整形外科なのにそんな「ヒアルロン酸」の話が出てくるのか、ご説明しましょう。
まず「ヒアルロン酸」とは何でしょう?ヒアルロン酸はもともと人間の体内にある物質で、なんとたった1gでペットボトル6本分もの保水力を持っています。さらに非常に高い粘度と弾性を持ち、傷口や細胞の修復を促す力があると考えられています。イメージとしては「傷も治せる、ぷるっぷるのスーパーわらび餅」という感じでしょうか?
さて、別のコラムで「関節の周りには潤滑油の役目をする液体がある」と書きました。加齢やストレス・肥満などで関節に負担がかかり、さらにこの潤滑油が減ってしまうと、油の切れたドアの蝶番が軋むように関節同士がギシギシとぶつかって擦り減ってしまい、それによって痛みや腫れ、変形などの症状が出てきます。
ヒアルロン酸はその潤滑油の一部であると同時に、潤滑油に栄養を与えてくれる重要な役目をしているのです。そう考えると、「関節の周りにもちもちしたわらび餅のようなヒアルロン酸があるとクッションの役割を果たしてくれそうだ」とイメージしやすいですね。
それでは実際にヒアルロン酸を使った治療をご紹介します。
やり方はとてもシンプルで、「関節周りにヒアルロン酸を注射する」です。
しかしまず大事なのは、関節の状態を把握することです。関節に炎症があって水が溜まっている場合はその治療から始め、きれいに治してからヒアルロン酸を注射します。水が溜まっている、もしくは炎症があってたまりやすい状態であるにも関わらずヒアルロン酸を注射しても余計に圧がかかって痛みが出ますし、せっかく純度の高いヒアルロン酸が薄まって効果も同様に低くなってしまいます。
注射が好きな人は居ませんよね。できれば痛い治療の回数は減らしたいものです。関節炎は注射をして水を抜くだけが唯一の治療法ではなく、貼り薬や飲み薬で治るものもあります。症状によっては、針を刺すのは最後のヒアルロン酸注射だけで済むかも知れません。まずはお気軽にご相談にいらしてください。痛みを和らげるお手伝いができるようにサポート致します!